
パートナーシップを入り口に、
「私はどう生きたいか」を取り戻す
パートナーシップ コンサルタント
竹内えつこです。
「彼が不機嫌だと、私が何かしたかなと思う」
「夫が疲れていると、機嫌を取ろうとしてしまう」
「相手が嫌がりそうだから、自分の希望を言えない」
「断ったら悪い気がして、つい引き受けてしまう」
こんなことはありませんか?
恋愛や夫婦関係では、相手との距離が近くなるほど、
「相手がどう思っているか」
「相手がどう感じているか」
が気になることがあります。
でも、相手の気持ちを気にしすぎて、自分の気持ちが分からなくなってしまったり、相手の問題まで自分が背負ってしまったりすると、パートナーシップはだんだん苦しくなっていきます。
そこに関係しているのが、心理学でいう「境界線(バウンダリー)」です。
今日は、パートナーシップにおける「境界線」についてお話ししたいと思います。
境界線(バウンダリー)とは?
境界線(バウンダリー)とは、簡単に言うと、
「ここまでが私で、ここからが相手」
という心の境界線のことです。
たとえば、
「私はこう思う」
「彼はこう思う」
「私はこれがしたい」
「夫はこれがしたい」
同じパートナーシップの中にいても、二人の気持ちや考えが同じとは限りません。
相手が不機嫌だからといって、必ずしも私が悪いわけではありません。
私が行きたい場所に、相手が行きたくないことだってあります。
反対に、相手が望んでいることを、私が望んでいないこともあります。
相手には相手の気持ちがあり、私には私の気持ちがある。
それを分けて考えるために必要なのが「境界線」です。
境界線が引けている状態とは?
境界線が引けていると、
相手が不機嫌でも、すぐに「私のせい?」と考えずにいられます。
相手と意見が違っても、
「私はこう思うよ」
と自分の意見を持つことができます。
嫌なことには「嫌だ」と言えるし、できないことには「できない」と言える。
そして、相手が自分の思い通りに動いてくれなくても、
「この人には、この人の考えがあるんだな」
と考えることができます。
「私」と「あなた」は違う人。
当たり前のことなのですが、距離が近い関係ほど、この境界線は曖昧になりやすいんです。
境界線が曖昧になると、パートナーシップはどうなる?
境界線が曖昧になると、相手の気持ちや問題まで、自分のことのように感じるようになります。
彼が不機嫌だと、
「私が何とかしなきゃ」
と思う。
夫が疲れていると、
「私がもっと頑張らなきゃ」
と思う。
相手が寂しそうにしていると、本当は今日は一人で過ごしたいのに、
「一緒にいてあげなきゃ」
と思う。
反対に、
「私はこんなにあなたのことを考えているんだから、あなたも私のことを考えてくれるよね?」
と、相手にも同じことを求めるようになることがあります。
そして、思ったような反応が返ってこないと、
「どうして分かってくれないの?」
「私はこんなにしているのに!」
と苦しくなってしまう。
境界線が曖昧になることで、我慢や犠牲が増えたり、相手をコントロールしたくなったり、依存や試し行動につながったりすることもあるんです。
境界線が曖昧になるのは、優しさから始まることもある
ここまで読むと、
「境界線を引けない私が悪いのかな」
と思う方もいるかもしれません。
でも、境界線が曖昧になるのは、相手を大切にしたい気持ちから始まることもあります。
私のクライアントさんには、よく気が利く人が多い印象です。
パートナーシップのお悩みをお聞きしていると、
最初は「彼のために」と思ってやっていたことが、いつの間にか「やって当たり前」になっていて、モヤモヤする…
そんなお話がよく出てきます。
「疲れているみたいだから、今日は私がやってあげよう」
「忙しそうだから、私が合わせよう」
「困っているなら助けてあげたい」
相手のために何かをしてあげることが好きだし、そんな自分のことも好き。
でも、それが続いていくうちに、
「私がやってあげたいこと」だったはずなのに、いつの間にか「私がやること」になっている。
そして、相手が「やってもらって当然」という態度になってくると、
「え?なんで私がやることになってるの?」
と、モヤモヤしたり腹が立ったりするんですよね。
相手のために何かをすることが悪いわけではありません。
でも、
「私は本当にこれをしたいのかな?」
「今も、やってあげたいと思っているのかな?」
「嫌なのに、やらなきゃと思っていないかな?」
と、自分の気持ちを確認することも大切だと思います。
優しさと犠牲は、同じではないのです。
なぜ境界線が曖昧になってしまうの?
では、なぜ相手との境界線が曖昧になってしまうのでしょうか。
そこには、いくつかの心理的な背景が考えられます。
●両親との関係・育った家庭
子どもの頃から、
「お母さんを悲しませてはいけない」
「お父さんを怒らせてはいけない」
と周りの顔色を見て育った場合、相手の感情に敏感になりやすいことがあります。
●過去の恋愛や人間関係
自分の気持ちを伝えたことで嫌われたり、拒絶された経験があると、
「自分の気持ちを言わない方が関係はうまくいく」
「相手に合わせた方が幸せになれる」
と思うようになることがあります。
●無価値感
自分自身の価値を感じられないと、自分の価値を相手によって確認しようとすることがあります。
「大切にされている私=価値がある」
「冷たくされる私=価値がない」
あるいは、
「ハイスペックな彼に選ばれた私=価値がある」
「社会的に成功している夫がいる私=価値がある」
というように、相手の価値と自分の価値が結びつくこともあります。
どちらも、自分の価値を相手によって決めている状態です。
●依存
「この人がいないと私は幸せになれない」
「相手が自分を愛してくれているか、いつも不安」
という気持ちが強くなるほど、相手の考えや行動に自分の幸せが左右されやすくなります。
●罪悪感
「私が断ったら、この人がかわいそう」
「私が幸せになったら、この人を置いていくことになる」
「この人の辛さを、私も背負ってあげよう」
そんな罪悪感から、相手の気持ちや人生まで背負ってしまうことがあります。
境界線チェックリスト
あなたの境界線は曖昧になっていませんか?
いくつ当てはまるか、チェックしてみましょう!
□ 相手が不機嫌だと「私のせい?」と思う
□ 相手の機嫌を直そう、機嫌を取ろうとしてしまう
□ 相手と違う意見を言うのが怖い
□ 頼まれると、嫌でも断れない
□ 相手が困っていると放っておけない
□ 自分より相手の予定や希望を優先することが多い
□ 相手が期待通りに動いてくれないと腹が立つ
□ 「私はこんなにしているのに」と思うことがある
□ 相手が幸せじゃないと、自分だけ幸せになることに罪悪感がある
□ 恋愛すると、自分が何をしたいのか分からなくなる
たくさん当てはまったからといって、
「境界線を引けない私はダメなんだ」
と思う必要はありません。
では、境界線を作るために何を意識していけば良いのでしょうか。
心地よい境界線を作るために
境界線を作る時に、まず意識してほしいのが、
「これは誰の問題なんだろう?」
ということです。
「彼が仕事でイライラしている」
それは、彼の問題です。
「夫があなたの提案を気に入らなかった」
それは、夫がどう感じるかという夫の問題です。
もちろん、大切な人が困っていたら心配するでしょうし、力になりたいと思うこともあるでしょう。
でも、
相手の問題をすべて自分が解決しなければならないわけではありません。
そして、
「私はどう感じている?」
「私はどうしたい?」
「これは本当に私が引き受けたいこと?」
と、自分の心にも目を向けてみてください。
境界線を引くというと、
「相手と自分を切り離す」
「冷たくする」
「自分のことだけ考える」
というイメージを持つ方もいるかもしれません。
でも、そうではありません。
境界線は、大切な人と離れるためのものではなく、お互いが心地よく一緒にいるためのものです。
相手の気持ちも大切にする。
そして、自分の気持ちも同じように大切にする。
その間に、自分たちにとって心地よい距離を作っていく。
それが、パートナーシップにおける境界線なのだと思います^ ^
相手に振り回されて苦しい時は
頭では、
「彼の機嫌は彼の問題」
と分かっていても、どうしても気になってしまうこともありますよね。
「嫌われるかもしれない」と思うと、自分の気持ちを言えないこともあるでしょう。
そんな時は、単に「境界線を引けばいい」と考えるのではなく、
「どうして私は、こんなに相手の気持ちを背負ってしまうんだろう?」
というところを見ていくことも大切です。
そこには、これまでの親子関係や恋愛、人との関わりの中で身につけてきたパターンが隠れていることがあります。
カウンセリングでは、今のパートナーとの関係だけを見るのではなく、なぜその関係の中で苦しくなってしまうのかを一緒に整理していきます。
相手を大切にしながら、自分のことも大切にできる。
カウンセリングで自分のパターンと向き合いながら、あなたにとって心地良いパートナーシップを一緒に考えていきましょう。
境界線とは
「ここまでが私で、ここからが相手」
と、自分と相手を分ける心の境界線です。
相手を大切にすることと、相手の気持ちや人生まで背負うことは違います。
そして、自分を大切にすることと、相手を突き放すことも違います。
相手の気持ちも大切にする
自分の気持ちも大切にする
二人の間に心地よい距離を作ることが、長く一緒にいるためにも大切なのではないでしょうか。
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竹内えつこでした。
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